東京高等裁判所 昭和37年(ネ)2639号 判決
手形行為者の署名(記名捺印を含む)はすべての手形行為に通ずる要件であるが、これに用いられる手形行為者の名称は、行為者の同一性を認識することができるものであれば、必ずしも戸籍上の氏名又は商号など公簿上のものであることを要せず、通称を用いることもできるものと解するを相当とする。本件においては、控訴人が中央学院なる通称を用いていることは当事者間に争がないところであるから、控訴人がその公簿上の名称である全和会と表示しないで、右通称を用いて本件手形を振出したとしても、手形行為の要式性になんら欠けるところはない。
(村松 伊藤 杉山)